ココロシホン

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自分に自信をつける正しい方法とは?「フィールグッド(心地よさ)」を求めるトレーニング!

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自分に自信をつけるために、資格にチャレンジしたり、出世を目指したり、恋愛相手を次から次へと代えたりする人がいます。また次から次へと高い目標を設定し、駆り立てられるように仕事をする人もいます。これは、アドラーが言う劣等感の「昇華」と考えられないこともありませんが、自分の自信の無さの原因を認めていなければ、無駄な努力(穴のあいたバケツに水を貯めようとする)を生涯にわたって繰り返してしまうことになります。

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自分自身が納得しないのであれば、どんな努力もむなしいものになります。そこで、この記事では、対処療法的ではなく、根っこから自分に自信をつける方法(トレーニング)をご紹介します。まずは、その前に、少し復習になりますが、自己無価値感を克服しようとする方法が、なぜ、本当の自信につながらないのかを考えます。

本当の自信につながらない誤った方法

前述の根本橘夫氏は、「たら」「れば」という無価値感を埋める心理が働いている限り、本当に自信を持つ方法を発見できないことを論理的に説明しています。

「自己価値感が満たされないと、強迫的な自己価値感への欲求が形成されてしまいます。  このために、基底的自己無価値感を、状況的自己価値感で埋めようとする心理がうまれます。  したがって、基底的な自己無価値感を持つ人ほど、強迫的に状況的な自己価値感を獲得しようと躍起になります。誰からも受け入れられることを求め、自分の力を誇示したがり、賞賛を得ることに執着し、嫌われることを極度に恐れるようになります。  

しかし、こうして得られる自己価値感は、「……になったら」「……であれば」という条件つきのものです。すなわち、「受け入れられたら」「愛されたら」「何々ができるようになったら」「成績が上がったら」「賞をもらえれば」「一流校に合格すれば」「やせてスタイルがよくなれば」、そのとき、はじめて自分に価値が生じると感じられるものです。 ですから、幸せは、「いま、ここ」の自分にはありません。いつでも「未来の、現在とは違う自分」に幸せを夢見ることになります。 」

「なぜ自信が持てないのか 自己価値感の心理学 根本橘夫 (PHP新書)」

幼少期に、ただそのままの存在として認められている実感を得ていない人は、自己無価値感人間となっており、自己価値感を高める、自信を持つための方法を模索しながら生きることになるという指摘です。これは非常に鋭い洞察であると思われます。ビジネス書のベストセラーに見られる、駆り立てられるような「成功」への猛進は、少なからぬ人たちが持つ自己無価値感に働きかけているようです。

当然ですが、これは自信を持つための正しい方法になっていません。どこまで出世しても、どこまで学歴を得ても、どんなに称賛されても、「ただそのままでいいのだ」という実感を持てない人にとっては、満足はほど遠いところにあります。

その末路は「燃え尽き」かもしれません。
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「いま、ここ」に目を向ける

自己無価値感を持つ人は、今の自分を生きていません。本当の自分を夢見て、「たら」「れば」に生きています。何かを達成できさえすれば「自信がつく」と考えます。しかし、誤った道を歩いて、正しい目的地には決してつかないように、目標を達成しても、達成感を得ることはできません。根本に目を向けなければならないのです。

「これに対し本来の自己価値感とは、無条件性のものです。自分の能力や容貌が劣っていようと、未熟だろうと、現在のあるがままの自分が受け入れられ、歓迎されているという実感です。ですから、「いま、ここ」の自分に幸福があるのです。」

「なぜ自信が持てないのか 自己価値感の心理学 根本橘夫 (PHP新書)」

まさに、「青い鳥」の逸話そのものですが、幸福はそれを求めて探そうとするものではなく、その時々で味わう「実感」にこそあるというわけです。それを理解しなければ、「あそこまでいけば」という無為な努力を繰り返すことになります。これは、登山を楽しむ人、そうでない人に例えることができます。

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本当の自信がある人(自己価値感)は、登山の過程そのものを楽しむことができます。山に登る過程で見る景色、小動物たち、すれ違う人たち、一緒に上る仲間、そのすべてが心地よく、その瞬間、瞬間を幸福な時として「実感」できます。しかし、本当の自信に欠けている人(自己無価値感)は、3合目、5合目、7合目、と、あの目標まで行ければ、幸せになると考えます。しかし、登ればのぼるほど、幸せな感覚は遠ざかるように思えます。スピードをあげて、目標に到達した時の徒労感といったらたまりません。

ではどうすれば、「いま、ここ」を味わうことができるでしょうか?「愛のコーヒーカップ理論」で知られる中野氏の提唱する「フィールグッド(心地よさ)」を求めるトレーニングをご紹介します。

毎日の生活にフィールグッドを求める

これは、「愛のコーヒーカップ理論」を提唱する中野氏の方法です。シンプルですが、自分の感覚を大切にしていくための方法として素敵なものだと思います。やり方は簡単です。

1:自分がハッピー・フィールグッドだと思える瞬間を10個書き出しリストにします
2:それを毎日1個ずつやってみます

これだけです(笑)。

毎日、自分の「幸福な実感」を味わうことです。自信が無い人は、「~~を達成したら」自信が持てるという誤った方法論を身に着けているため、心地よいことを自分のために行うことに罪悪感を感じがちです。そもそも、何がフィールグッドなのかということが分からないことも多いと思います。まずは、自分の「感覚」を鋭敏にしていくことが必要です。

以下は、中野氏のあげている10のリストの例です。

1.「まる一日、自分に、フリーな時間をプレゼントする」
2.「おいしいものを食べる」
3.「好きなだけミステリーを読む」
4.「時間を気にせず韓流のドラマを見る」
5.「好きな音楽を聴く」
6.「草花を飾る・土に親しむ」
7.「お菓子を作る・お菓子を食べる」
8.「小旅行をする」
9.「ショッピングで新しいファッションを先取りする」
10.「マッサージ・エステでリラックスする」

上から順番に1日ずつ実践していくのです。もちろん、それができない日があるかもしれません。そんな時は「もどき」メニューを用意しておくのだそうです。大切なのは、心地よい(フィールグッド)を決して逃さず実践すること。

【もどきメニューの例】 「買い物に行く」→「通勤時間に通販の雑誌を見て、次の買い物計画を立てる」 「コンサートに行く」→「家でゆったり音楽三昧」 「レストランで食事をする」→「食事に行くレストランを選んで予約を入れる」 「森林浴」→「家の中で自然のサウンドのCDを流す」

自己無価値感の人生を送ってきた人であれば、自分の必要が何層にも覆われているかもしれません。小さな心地よさをまずは、書き出すことが必要かもしれません。しかし、まず、この小さなことから初めてみましょう。「自分の感覚」を信じられるようになった時に、人は、「自分自身」という土台を確認するようになります。

まとめ

これまで必死に自分を打ちたたいて前に進んできた人にとっては、これが、自分に自信をつける正しい方法だと思えないかもしれません。しかし、何かを達成したからではなく、ただ、ここに生きているだけで幸せを実感できること。これは、欠けている「基底的自己無価値感」を修復する大切な作業でもあるのです。

前述の根本氏もこう述べています。

「身体の感覚や感情こそ、自分そのものの出発点です。身体の自然な欲求に従ってみましょう。気分が重く、どうしても仕事がはかどらないときは、思い切って休みをとって遊びに出よう。  マスローも、「自分は何を喜びとしているかを見る能力を取り戻すことが、大人にとっても踏みにじられている自己を再発見する最善の方法である」と述べています(前掲書)。

こうした自分になろうとする努力をしていると、自分の殻が取れる感じがします。肩の力が抜ける感じがします。自分の感性が回復しつつあることを感じます。素直な感情を取り戻しつつあることを感じます。自分自身をたしかに生きている、という実感が得られます。」

「なぜ自信が持てないのか 自己価値感の心理学 根本橘夫 (PHP新書)」

まずは3週間、自分にとってのフィールグッドを毎日実践してみましょう。話はそれからです(笑)

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