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ココロシホン

ココロの健康は資本です。プチ心理学ライターの独り言です。

「頑張り屋で真面目な人」ほど注意です!うつ病を「治そう」と気張る「認知療法」はかえって悪化すること必至だから。

うつ病 認知行動療法 論理療法(REBT)

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うつ病について勉強中です。限界を越えて追い詰められた頑張る真面目な人が、うつに陥ることは十分にあり得ることです。責任感が強く、頑張る人ほど、誰にでも生じると思います。(私も、どちらかというと、うつ病予備軍の気質です。)

うつ病の最中には「自力での認知療法」は難しい

そして、頑張る真面目な人ほど、陥ってしまうのが「認知療法」で、なんとか自力でうつを治そうと試みること。しかし、精神の限界(体力の限界の場合もあり)まで追い詰められて、苦しい状態の人が、自力で認知療法を試すのは実際には難しいことです。私は現在、論理療法(REBT)を集中的に勉強していますが、こと、うつ病に陥っている最中の人が、自力で認知療法を行うことに関してはバランスをとって考えなければならないと感じています。

丸岡いずみさんのうつ

丸岡いずみさんは、テレビでよく見ていました。著書を読むと、ほんと、休むことを知らない精力的な仕事人間だったことが分かります。アナウンサーの華やかな雰囲気の裏では、夜討ち朝駆けの取材の日々でした。うつ病発症のきっかけは、東日本大震災の取材だったと振り返っておられます。それまでの、精神的な過労の蓄積と東日本大震災のショッキングな取材。こりゃ、だれでも限界を越えるでしょう。著書を見ると、丸岡さんが、ほんと、頑張り屋で真面目な性格であることが分かります。
yoshinorihara.hateblo.jp
丸岡さんは、児童心理学などにも造詣が深い方ですので、当初は、「やはり」認知療法を自分でなんとか実践しようと奮闘したようです。しかし、そうしようとすればするほど、追い詰められていく状態になりました。

「私自身、薬を飲まなくても大学院時代に身に付けた「認知行動療法」で治すことができると思い込んでいました。うつ病真っただ中の人が自分で自分に施しても、効果があるはずはありません。  結局、薬を飲まなかった私はさらに悪化し、すべてをネガティブにとらえるようになってしまいました。最終的には「母親にヒ素を盛られた!」という異常な被害妄想まで抱くようになりました。11年12月、過換気症候群を起こし入院。精神科入院中に処方された薬をきちんと飲んだら、すぐに快方に向かいました。」

引用:うつマーケティングの功罪 週刊東洋経済eビジネス新書No.51 - ただの読書ログ(ヨシ・ノリハラ)

考えて、考えて、理性の力で落ち込みを克服しようという認知療法的なアプローチは、心の健康度がかなり高くないと難しい方法であることが分かります。頑張り屋で真面目な人ほど落ち込みやすいワナですね。丸岡さんは結局、精神科の投薬治療によって回復していきます。レビューを見ると、そんなに甘くないというバッシングもありますが、そこに至る過程に注目したいと思います。

有島さんのうつ

最近読んだ有島さんのコミックエッセイも役立ちました。うつ病の最中(自殺念慮もあった)には、認知の歪みを自分で正すのはほとんど無理です。彼女は保健師でもあり、精神医学にある程度明るかったので、精神科医や仲間の保健師や、他の人からの援助を積極的に求めましたが、そうじゃなかったら、危なかったかもしれない、と思えます。
yoshinorihara.hateblo.jp
彼女が認知行動療法に取り組みだしたのは、うつ病のトンネルを少しずつ越えてきた後のことです。優しい妹さんや、理解のある家族の助けを得ながら、思考を少しずつ柔軟にしていくことができました。認知療法を行うならタイミングが大事です。

心にスキマを作ることが大事

うつ病の最中にある人は、暗いトンネルの中にいることに似ています。出口が全く見えず、引き返すことも、違う道を探すこともできないのです。そういう時に「考え方を変えなければ」という強迫的な思考は逆にうつを悪化させます。むしろ、この時期には、心に少しのスキマを作ること、なんとかうつの時期をやり過ごさなければなりません。必ずうつは抜けますが、あがくと、かえって苦しくなるのも事実です。

1秒でも早く! 「ダメージ」から抜け出す方法

心にスキマという概念はこの本から学びました。
yoshinorihara.hateblo.jp
心のスペースをまずは空けないと、状況に対して正しい考え方ができません。もしかすると、大好きな映画を見たり、音楽を聴いたり、本を読んだり、まずは、追い詰められた状態を脱することが必要なのかもしれません。「認知療法」で直さなきゃと思えば思うほど、自分を追い詰めてしまいます。

うつからの脱出―プチ認知療法で「自信回復作戦」

つらい気持ちの時には、下園氏のうつに効く「プチ認知療法」がお勧めです。
yoshinorihara.hateblo.jp
実際読んでみると、少しも認知療法ではないことが分かります。下園氏は「時間稼ぎ」と言います。このような現実的な本があることが嬉しかったです。認知療法・うつ・というキーワードで引っかかるようにこの本を用意してくれたことに、下園氏の愛を感じますね。

誰かと話すことこそ「認知療法」

もしできるなら、一番つらい時期は、とにかく誰かと話すことができればいいですね。自分で認知療法を行う力は無くても、とにかく、自分の気持ちを吐き出すことができれば、認知の歪みを指摘してもらえます。話すことで、自分の考えが偏っていたということが分かることがよくあります。そして、少しずつ、心にスキマを作っていく。

時には精神科に行き、自分の気持ちについて話す、ことが大事です。また、投薬治療で、睡眠の習慣を回復させたり、不安を一時期でも解消したり、何かにつかまることが大切な時もあります。溺れちゃうよりは、わらをつかんだ方が良いです。時にはね。

気張ってはいけない

論理療法(REBT)や認知行動療法(CBT)を学ぶと、自力でうつ病は克服できる!という気持ちになりそうですが、実際に、うつ病になった人の経験談を読むにつれて、そんなに甘くないなということにも気づきます。論理療法(REBT)で言うところの「べき思考」が、かえって発動してしまう結果にもなりかねません(認知療法でうつを治す「べき」だ・・のように。)

ツレがウツに・・


ツレがうつになりまして。 [ 細川貂々 ]

ツレがうつになりましての細川氏の家族の中で起きたことは印象的です。治そう、治そうと気張れば気張るほど、治らない、これがウツですね。

「2年以上が過ぎても、病状は一進一退を繰り返す。いつか治るのか思うからいつも。いっそのこと一生こんなにいい、思えば楽しくないだろう。06年秋、細川は夫に告げた。「治なんていいよ、治らない方が、前より幸せだから」そう言われた途端、症状は回復に向かいました。望月は「それまでは、治そうと焦っていたんだと思う。諦めたらすごく楽になんとスッと良くなった」と振り返る。その年の暮れにはすべての薬をやめることができた。望月は今でも調子を崩すことがある。しかし、物事に優先順位をつけられるようになり、諦めることを覚えた」

引用:「新型うつ」が日本を飲み込む ニッポン人脈記 (朝日新聞デジタルSELECT) Kindle版 朝日新聞 (著) - ただの読書ログ(ヨシ・ノリハラ)

まとめ

うつ病は必ず治ります。うつの辛い気持ちも必ず過去のものになります。抜けられます。でも、認知療法で必死に抜けようとすることはやめましょう。こは、これまでの先輩たちの経験が物語っている教訓です。辛い時期に何かの意味があるとしたら、それは、人生には休むことも必要だということを学び取る大事な時期なのかもしれないのですから。

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